自分と似た人を好きになるのか?似てない人を好きになるのか?
結論から言ってしまうと、どちらも正しいようです。ではなぜ両者の意見は正反対なのかというと、 心理学は『心』を考える学問で、生物学は『体』を考える学問だからです。

両者の意見をまとめてみると『人は内面や環境は自分と似ている人を好きになるが、見た目や身体的特徴に関しては、自分と似てない人を好きになる』ということになります。このページでは、似てる・似てないという観点から『好き』のメカニズムを考えて いきたいとおもいます。
心理学から見た恋愛
心理学の世界では、人は内面や環境が自分と似ている人間に好感を抱くというのは、昔からよく言われています。これは数々の実験でも証明されていて『同類選択』または『類似性の法則』などとよばれています。内面や環境とは、人種・宗教・言語・育った環境・生活リズム・趣味・価値観・倫理観などです。この法則があるからこそ、誰でもオリンピックでは日本を応援し、甲子園でも地元の高校を応援するのです。恋愛においても、これらの共通点が多い異性ほど、好きになりやすくなっているというのは、間違いないようです。
このような意識が働いている理由は、なるべくストレスのかからない相手をパートナーとして選ぼうとしているからです。当然のことながら、いくら好きでも、そこに大きな障害があれば、恋愛関係を続けていくことは困難です。たとえば、とびきりルックスの良い相手に一目惚れをしたとしても、喋る言語が違ったり、起きている時間が真逆だったり、豚肉を食べることを悪い事だと考えているような相手では、恋愛関係を維持していくことは困難です。なので、はじめから好きにならないようにしようという意識が働いているというワケなのです。『一目惚れ』と簡単に言いますが、実は人は、信じられないくらい色々な計算してから好きになっているのです。
とはいえ、十人十色という言葉があるように、自分とまったく同じような環境の人など、どこにもいるワケがありません。なので人は、これらがなるべく自分と近い人を好きになった後、相手とこれらを同調させようとします。これを『同一化』といいます。たとえば恋人と同じ趣味を持ったり、同じ物を買ったり、同じ曜日を休みにするといったことが同一化の表れです。ロックバンドのライブ会場に来ている女の子達も、バンドのメンバーと似たような衣装を着たりしますが、あれも同一化を図ろうとしている行為とみなすことができます。
同一化とはつまり、相手に好かれようとしている行為です。実際に、お互いに強く惹かれあっているカップルは、この同一化が物凄いスピードで進行していきます。同一化している項目が多いほど、お互いにストレスが減り、長く付き合えることを本能的に知っているからです。なので人は『好きになった人の好きなもの』をなるべく好きになろうとする心理メカニズムを長い進化の歴史の中で身につけてきました。従って、たとえばあなたが持っている物と同じ物を欲しがる子や、あなたの口癖をマネするような子は、あなたに興味を持っているという証拠です。
付き合う前でも、この同一化している項目の多さを測ることで、狙っている女を落とせる確率をある程度割り出すということは可能です。たとえば自分と魅力レベルが同じくらいの男がライバルであれば、同じ会社、同じ趣味、同じ休みなど、共通点が多い方が、恋人として選ばれる可能性が高いことは明白です。
生物学から見た恋愛
英アバディーン大学の研究チームは『人は自分と似た顔の同性に対しては “信用できる” という印象を持つ傾向があるが、自分と似た顔の異性に対しては “生理的な嫌悪感” を覚える傾向がある』という研究結果を報告しています。つまり恋愛を発展させる上では、顔がお互いに似ていないと認識することが重要だといえるのです。
誰でも自分の顔には、ある種のナルシズムを持っていますので、自分と似た顔の同性に対しては、親近感を覚えるというのは納得できます。対して、自分と似た顔の異性に対しては、近親交配を想起させてしまうばかりか、自分と同じ性なのではないか? という思いが意識的にも無意識的にも生じてしまうため、恋愛が発展しにくいといえます。確かに超ナイスバディの女でも、顔が自分だったら、立つものも立ちません。
体の特徴に関しても同じことがいえます。太っている人や、太る遺伝的要素を持っている人は、痩せている人に惹かれますし、病弱な人や、先天的に何かの病気を持っている人ほど、外見がシンメトリーな人(左右対称で健康の証)に惹かれる傾向があります。(参照:モテる男の顔とは)似てない人に惹かれるというよりは『自分の欠点を補ってくれる人に惹かれる』といった方がいいかもしれません。
恋愛とはつまるところ、どのような遺伝子と合体させたら、素晴らしい作品(子供)ができあがるか? ということをさがす旅なわけですから、 誰しもが自分の遺伝的な欠点を補ってくれる相手に惹かれるのは当然の成り行きといえるのです。つまり大雑把にいえば、身体的特徴に関しては、自分と似ていない人に惹かれるといえそうです。
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